SPC2024
プローブ部門ルール

宇宙探査機(スペースプローブ、以下プローブ)の惑星への着陸を想定し以下のシーンを競技のベースとする

〈求められること〉

目標地点への着地

プローブを目標地点に着地させる

これを考慮しつつ、競技性を高めた以下のミッションを実施し、達成度に応じて点数化する。

1.競技のルール

GasCAMUIロケット(以下、ロケット)からプローブを放出
規定時間内にターゲットまで移動させる
規定時間経過時の位置を計測し、点数を計算

ロケットはランチャーより東方向へ向け発射され、プローブを高度約100[m]、ランチャーから前方約(★7[m]、調整中)の位置で開放する(開放位置は気象条件(主に風)等で変化するため、あくまで目安)。

ターゲットは全部で3個とする。ロケットのプローブ放出位置を中心とした半径(★10[m]、調整中)の円周上、東/南/北にターゲットを配置する(ロケット進行方向の後ろとなる西には配置しない)。

プローブはどのターゲットに着地してもよい。

参加チームが無線機器、ビーコンやマーカーを設置することは自由(ターゲットに被せることも可)。

プローブを複数に分割する場合、分割数の上限を2つまでとし、ターゲットに一番近いものを計測の対象とする。なおキャリア(ロケット搭載時にプローブを保護するためのケース)は分割数に含めない。

下の図はローバタイプの場合

図 1 下の図は打上会場を真上から見た図

表 1 ターゲット位置に関する長さ一覧

項目 長さ[m] 備考
ターゲット配置半径R 10★調整中  
ターゲット半径 1 参加チームがマーカー等を設置するのは自由

2.機体制作のルール

01

ロケットへ搭載するためのルール
(プローブのサイズ)

外径φ150 以内
(突起物含む)

全長340mm以内
(突起物含む)

重量1000g以内
(全備重量)

※フィットチェックで規定外であることが確認された場合、失格となりロケットではなく「ドローン投下での競技」とします。
評価は一通り行いますが、公式な記録ではありません。

下の画像 2022年大会参加「滑空タイプ」のプローブ例

下の画像 2022年大会参加「ローバタイプ」のプローブ例

02

プローブを安全に回収するためのルール
(プローブの降下速度) 

投下実験機からの放出後、競技会場外への流出防止およびプローブの安全な回収の為、下記項目を満足していること。

プローブ本体にパラシュート等の回収機構(減速機構)を取り付けること

放出後の降下速度は 6 m/s 以上とすること

事前に参加者が降下速度を試験し、試験方法と結果を設計仕様書に記述すること

03

スムーズにロケット打上げをするためのルール
(プローブの整備性) 

搭載機器の電源ON/OFFや動作設定は、機体を分解せずに機体外部から行えること

バッテリーや記録メディアの交換は、機体を分解せずに短時間で行えること

3.運用
(競技のながれ)

会場へ到着後「プローブ機体がロケットに搭載できる大きさ、重量であるか」をチェックします。これを フィットチェック と言います。

プローブを動作させる必要はなく、単純に大きさと重量チェック(パラシュートなど全搭載物含む)を行うだけです。
チームごとに順番に呼ばれますので、運営スタッフの指示に従ってください。

なお事前にお知らせするフィットチェック開始時刻までに、フィットチェックを開始出来ない場合、失格とします。

C

② 整備場で最終調整

整備場(最終調整後、ロケットへプローブを搭載)

ここがプローブの整備をする最後の場所です。整備完了後、ロケットにプローブを搭載します。

電池/記録メディアの消耗防止のため整備完了後は、運営スタッフからのロケット搭載の指示がある迄の間は「電源OFF状態」または「主電源ONし、スタンバイ状態」としてください(天候や他チームの準備遅延等により数十分以上待つ可能性が有ります)。

運営スタッフからのロケット搭載の指示で、プローブをロケットに搭載します。プローブの電源を入れスタンバイ状態にした後、ロケットのフェアリングを閉じてプローブの搭載完了です(ロケットからプローブが開放されて電源が入る仕組みであれば、スタンバイ状態にする必要はありません)

フェアリングを閉じた後はプローブを直接触ることはできません(Bluetooth等の無線操作は可能です)。

C

③ 射場(ロケットをランチャーへ搭載)

競技場内に入る際は、必ずヘルメットを着用します(こちらで用意します)。

運営スタッフが整備場から射場まで、プローブ搭載済みのロケットを移動させ、打ち上げのためのランチャーへ搭載します(参加者がすることはありません)。

C

④ 打上前の安全確認

射場より運営スタッフや参加者全員が退避します。

運営スタッフにより打上可能かの安全確認を行います。

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⑤ ロケットの打上げ

カウントダウン後、上空100m程度までプローブを搭載したロケットが打ち上がります。

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⑥ プローブの放出(ミッションの開始)

・上空100m程度でロケットの フェアリング が開き、プローブが開放されます。

フライバック タイプ のプローブは、ターゲットを目掛けて落下中に制御を行ってください。
必要に合わせて気圧センサやカメラなどでデータの計測も行ってください。

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⑥ プローブの着地

着地後の5分間、プローブは移動可能です。(※地上で移動する機構がない場合、省略)
GPSやカメラ、各種センサを駆使して目的地を目指し走行します。

着陸の衝撃対策、着陸体制なども重要です。

 

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⑦ 着地位置の確認

運営スタッフにより、競技場内に入っても問題ないかの「打上後の安全確認」を行います。

その後、運営スタッフにより、ターゲットとプローブの距離計測を行います。

 

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⑧ プローブ回収

参加者に競技場内へ入る許可が出された後、プローブを回収することが可能です。必要に合わせてプローブ周辺の写真や動画の撮影を行ってください(回収後は事後プレゼン準備が可能です)。

 

4. 評価方法

本大会には、参加者が実験を繰り返し行い創意工夫する過程を通し、考えて行動できる人になって欲しい、という目標があります。そのため当日の競技結果だけでなく、事前に準備/実験を繰り返してきた結果も考慮する配点とします。

以下の項目に基づき評価を行い、参加チームを順位付けします。また評価結果は将来の参加チームの助けとなるよう、公開します。

表3 評価用紙

※以下は2023年のもので後日更新いたします。

# カテゴリ 評価対象 # 評価項目 配点
1 着地の正確性 競技結果 1 計算式:25‐(ターゲット中心~プローブの距離(m) ) ※最低 0点 25
2 事前実験/実験環境 事前/事後プレゼン、データ解析用パソコン環境など 2 実験を十分に行っているか(課題と改善プロセスの説明) 15
3 計測データの理解(計測値の単位、地上と落下中の計測値の違い、時系列での数値変化の意味など) 10
4 取得データを理解しやすくするための仕組み(可視化など) 10
3 制作技術 プローブ機体 5 ミッション実現に対し適切な機構、センサーを選定しているか 10
6 機体の美しさ(機能美) 5
7 メンテナンス性(繰返し実験するためバッテリー、記録メディア交換が簡単にできる) 5
4 大会当日の運用 ロケットへプローブ搭載を行うための事前準備と当日の様子 8 ロケットへのプローブの搭載のしやすさ(パラシュートのたたみ方、プローブの搭載向き、スイッチONやセンサの初期化手順を事前に準備しているか) 10
9 打上予定時刻に準備が出来なかったことのペナルティ、-10点。
(またロケットによる打上げは行わず、ドローン投下となる)
0
5 プレゼンテーション 事後プレゼン 10 ・実験結果を、(単位を理解し)数値を用いて伝えることが出来るか
・事前プレゼン資料の予測値と、実験での実測値の差分を検証し、伝えることが出来るか(「妥当性」)
10
6 オリジナリティ 事前/事後プレゼン、機体 11 ミッション実現のアイディアの独創性(科学/工学的意義) 5
12 アイディアの実現度合い 15
7 チームへの一言 13 講評、アドバイスなど。内容はSPCホームページに記載させて頂きます
合計 120