SPC2023
プローブ部門ルール
宇宙探査機(スペースプローブ、以下プローブ)の惑星への着陸を想定し以下のシーンを競技のベースとする
〈求められること〉
目標地点への着地
プローブを目標地点に着地させる
1.競技のルール
GasCAMUIロケット(以下、ロケット)からプローブを放出
規定時間内にターゲットまで移動させる
規定時間経過時の位置を計測し、点数を計算
ロケットはランチャーより東方向へ向け発射され、プローブを高度約100[m]、ランチャーから前方約(★7[m]、調整中)の位置で開放する(開放位置は気象条件(主に風)等で変化するため、あくまで目安)。
ターゲットは全部で3個とする。ロケットのプローブ放出位置を中心とした半径(★10[m]、調整中)の円周上、東/南/北にターゲットを配置する(ロケット進行方向の後ろとなる西には配置しない)。
プローブはどのターゲットに着地してもよい。
参加チームが無線機器、ビーコンやマーカーを設置することは自由(ターゲットに被せることも可)。
プローブを複数に分割する場合、分割数の上限を2つまでとし、ターゲットに一番近いものを計測の対象とする。なおキャリア(ロケット搭載時にプローブを保護するためのケース)は分割数に含めない。
下の図はローバタイプの場合
図 1 下の図は打上会場を真上から見た図
表 1 ターゲット位置に関する長さ一覧
項目 | 長さ[m] | 備考 |
ターゲット配置半径R | 10★調整中 | |
ターゲット半径 | 1 | 参加チームがマーカー等を設置するのは自由 |
2.機体制作のルール
ロケットへ搭載するためのルール
(プローブのサイズ)
外径φ150 以内
(突起物含む)
全長340mm以内
(突起物含む)
重量1000g以内
(全備重量)
※ フィットチェック で規定外であることが確認された場合、ロケットでの打上げは行わず「ドローン投下」とする。
ただしサイズ/重量の超過があまりに大きい場合、ドローン投下も出来ない場合あり。
下の画像 2022年大会参加「滑空タイプ」のプローブ例
下の画像 2022年大会参加「ローバタイプ」のプローブ例
プローブを安全に回収するためのルール
(プローブの降下速度)
投下実験機からの放出後、競技会場外への流出防止およびプローブの安全な回収の為、下記項目を満足していること。
プローブ本体にパラシュート等の回収機構(減速機構)を取り付けること
放出後の降下速度は 6 m/s 以上とすること
事前に参加者が降下速度を試験し、試験方法と結果を設計仕様書に記述すること
スムーズにロケット打上げをするためのルール
(プローブの整備性)
搭載機器の電源ON/OFFや動作設定は、機体を分解せずに機体外部から行えること
バッテリーや記録メディアの交換は、機体を分解せずに短時間で行えること
3.運用
(競技のながれ)
① フィットチェック
会場へ到着後「プローブ機体がロケットに搭載できる大きさ、重量であるか」を運営スタッフがチェックします。これを「フィットチェック」と言います。
プローブを動作させる必要はなく、単純に大きさと重量チェック(パラシュートなど全搭載物含む)を行うだけです。
チームごとにフィットチェックの開始時刻を事前に決め順番に呼び出しますので、運営スタッフの指示に従ってください。
なおフィットチェック開始時刻にフィットチェックを開始出来ない場合、失格とします。
② 整備場で最終調整
整備場 がプローブの整備をする最後の場所です。整備完了後、ロケットにプローブを搭載します。
電池/記録メディアの消耗防止のため整備完了後は、運営スタッフからのロケット搭載の指示がある迄の間は「電源OFF状態」または「主電源ONし、 スタンバイ状態 」としてください(天候や他チームの準備遅延等により数十分以上待つ可能性が有ります)。
運営スタッフからのロケット搭載の指示で、プローブをロケットに搭載します。プローブの電源を入れスタンバイ状態にした後、ロケットの フェアリング を閉じてプローブの搭載完了です(ロケットからプローブが開放されて電源が入る仕組みであれば、スタンバイ状態にする必要はありません)
フェアリングを閉じた後はプローブを直接触ることはできません(Bluetooth等の無線操作は可能です)。
③ 射場(ロケットをランチャーへ搭載)
競技場 内に入る際は、必ずヘルメットを着用します(こちらで用意します)。
運営スタッフが整備場から射場まで、プローブ搭載済みのロケットを移動させ、打ち上げのためのランチャーへ搭載します(参加者がすることはありません)。
④ 打上前の安全確認
射場より運営スタッフや参加者全員が退避します。
運営スタッフにより打上可能かの安全確認を行います。
⑤ ロケットの打上げ
カウントダウン後、上空100m付近までプローブを搭載したロケットが打ち上がります。
⑥ プローブの放出( ミッション の開始)
上空100m程度でロケットの フェアリング が開き、プローブが開放されます。ロケットからのプローブの 開放検出 に、 フライトピン を付けることは可能です。
プローブが フライバック タイプの場合、落下中にもターゲットを目掛けて制御を行ってください。
また必要に合わせて、気圧センサやカメラなどでデータの計測を行ってください。
⑥ プローブの着地
着地後の5分間、プローブは移動可能です。(※地上で移動する機構がない場合、省略)
GPSやカメラでの画像処理、地磁気センサー等を使い目的地を目指し走行します。
また着陸の衝撃対策、着陸姿勢なども重要です。
⑦ 着地位置の確認
運営スタッフにより、競技場内に入っても問題ないかの「打上後の安全確認」を行います。
その後、運営スタッフにより、ターゲットとプローブの距離計測を行います。
⑧ プローブ回収
参加者に競技場内へ入る許可が出された後、プローブを回収することが可能です。必要に合わせて着地状況の記録として、プローブ周辺の写真や動画の撮影を行ってください。
4. 評価方法
本大会には、参加者が実験を繰り返し行い創意工夫する過程を通し、考えて行動できる人になって欲しい、という目標があります。そのため当日の競技結果だけでなく、事前に準備/実験を繰り返してきた結果も考慮する配点とします。
以下の項目に基づき評価を行い、参加チームを順位付けします。また評価結果は将来の参加チームの助けとなるよう、公開します。
表3 評価用紙
# | カテゴリ | 評価対象 | # | 評価項目 | 配点 |
1 | 着地の正確性 | 競技結果 | 1 | 計算式:25‐(ターゲット中心~プローブの距離(m) ) ※最低 0点 | 25 |
2 | 事前実験/実験環境 | 事前/事後プレゼン、データ解析用パソコン環境など | 2 | 実験を十分に行っているか(課題と改善プロセスの説明) | 15 |
3 | 計測データの理解(計測値の単位、地上と落下中の計測値の違い、時系列での数値変化の意味など) | 10 | |||
4 | 取得データを理解しやすくするための仕組み(可視化など) | 10 | |||
3 | 制作技術 | プローブ機体 | 5 | ミッション実現に対し適切な機構、センサーを選定しているか | 10 |
6 | 機体の美しさ(機能美) | 5 | |||
7 | メンテナンス性(繰返し実験するためバッテリー、記録メディア交換が簡単にできる) | 5 | |||
4 | 大会当日の運用 | ロケットへプローブ搭載を行うための事前準備と当日の様子 | 8 | ロケットへのプローブの搭載のしやすさ(パラシュートのたたみ方、プローブの搭載向き、スイッチONやセンサの初期化手順を事前に準備しているか) | 10 |
9 | 打上予定時刻に準備が出来なかったことのペナルティ、-10点。 (またロケットによる打上げは行わず、ドローン投下となる) |
0 | |||
5 | プレゼンテーション | 事後プレゼン | 10 | ・実験結果を、(単位を理解し)数値を用いて伝えることが出来るか ・事前プレゼン資料の予測値と、実験での実測値の差分を検証し、伝えることが出来るか(「妥当性」) |
10 |
6 | オリジナリティ | 事前/事後プレゼン、機体 | 11 | ミッション実現のアイディアの独創性(科学/工学的意義) | 5 |
12 | アイディアの実現度合い | 15 | |||
7 | チームへの一言 | 13 | 講評、アドバイスなど。内容はSPCホームページに記載させて頂きます | – | |
合計 | 120 |