SPC2025
結果発表
2025年9月20日㈯SPC2025
沢山のご来場・ご観覧をありがとうございました。
そして、エントリー準備から試作・テスト・資料作成など長い期間をかけて参加いただいた6チームの皆様、本当にありがとうございました。
受賞チームならびに、各チームの審査結果を発表いたします。
受賞チーム発表
植松電機賞
賞金5万円
チーム岩井家
受賞コメント
この度は植松電機賞という光栄ある賞をいただき、ありがとうございます。
チーム岩井家の活動は、宇宙に縁もゆかりもない普通の家族がプローブ開発作り始めるところからスタートしました。
手探り状態で試行錯誤と失敗を繰り返しつつも、経験を重ねるたびに新たな発見があり、やりたい事が次々と増えていきます。
この先何処にたどり着くのか全く分かりませんが、これからも温かく見守っていただければ幸いです。

HASTIC賞
賞金2万円
DGKProve
(芝浦工業大学附属高校)
受賞コメント
この度は、2度目の出場で念願の受賞ができたことをとてもうれしく思います。
パラシュートやタイヤなど、たくさんの試行錯誤を重ねることができ、本当に楽しい2年間でした。
私たちDGKProbeは、全員高校2年生のため、来年度以降は後輩たちが優勝を目指してプローブ開発をしていく予定です。
応援よろしくお願いいたします。

HASTIC賞
賞金2万円
CosmoCraft
受賞コメント
このたびはHASTIC賞という素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。
幾度の失敗を乗り越え、目指していた空中での水噴射による飛行というミッション成功の瞬間にはチーム全員が子どものように歓声を上げ、大きな達成感を得ることができました。
ミッションの内容についても各々の拘りがある中で、時にぶつかり合いながらも真剣に議論し、互いの“こだわり”が重なり、素晴らしいものが出来上がったと感じています。
今回の成功で社会に出た後でも時間、場所に制限がある中でも、純粋にモノづくりが出来ることを世の中の社会人にお知らせできたと考えています。
プローブ制作を通じて、技術と笑いの両方を追求できたこの経験に感謝しています。これからもユーモアと創意工夫で、見る人が笑顔になるモノづくりを続けていきたいと思います。

各チーム結果発表
掲載は打ち上げ順です
DGKProve(芝浦工業大学附属高校)
HASTIC賞
レーダーチャート
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審査コメント
永田 様
衝撃吸収性と走破性を両立させたタイヤの設計は秀逸でした。着地判定に加速度ゼロを使っていたのは盲点でしたね。せっかく高度計と気圧計も搭載していたので、合議制判断(着地との判断が2票以上なら着地)が出来たはずです。一定時間経過したら着地と判定、は、合議で結論が得られなかったときのバックアップとすれば、クールな着地判定アルゴリズムになったように思います。
高梨 様
資料・プレゼンの内容とまとめ方がとにかく素晴らしいです。開発の中で特に重要なステップとして予算獲得がありますが、人にわかりやすく伝える資料はとても重要です。このクオリティを今後も維持されることを期待します。
プローブについては基本に忠実なスタイルで衝撃を受けても動作していたことが確認できていて良かったです。来年以降のさらなる改良が楽しみです。
平井 様
直接見ることはできませんでしたが、事前資料、事後資料を確認しました。非常に高いレベルで開発されているのがわかりました。車輪も多数トライアンドエラーを繰り返しているのは印象的でした。パラシュートの分離の誤作動の分析もしっかりとされていてよかったと思います。気体が落下後に目的地へ向かおうとしていたのを、データからも検出していたのは非常に素晴らしい考察だと思います。オンラインでのリアルタイムデータ共有もよかったです。
とおよん!(室蘭工業大学)
レーダーチャート
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審査コメント
永田 様
どんな飛び方をするのか見られなかったのが残念でした。搭載性優先で選んだのだと思いますが、バイコプターの飛行制御は難しそうですね。試験を数多く行っている様子でとても良いと思いますが、ピンの抜けがその試験の過程で課題として浮かび上がらなかったでしょうか。データ取得・保存については冗長系が必要と思います。2箇所に保存とか無線でも送信とかしておけば良かったですね。
高梨 様
地上の走破を切り捨て新しいアイディアに挑戦された機体でとても面白かったです。どこかで飛行する姿を見せていただければと思います。
機体構造内の断線リスクやカバーが開かない故障モードといった課題がSARD内で依然として残ってしまっているのが残念です。人数が多いというチームの利点を活かして挑戦より一歩手前の根本的な設計を手分けして追求してみてはいかがでしょうか。
平井 様
ローバータイプでは、課題のあるフィールドが存在する、という過去の経験から、飛翔型に切り替え、かつ、新しいアイディアであるバイプロペラを導入している点は、独創的であったと思います。ただ、試験のデータ解析が足りない印象だったのと、ピンが抜けていたことが原因のように見受けられたので、最終確認の甘さが出ていたのかな、と思いました。とはいえ、アイディアとしては面白かったです。
CosmoCraft
HASTIC賞
レーダーチャート
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審査コメント
永田 様
ターゲットを目指して噴進するという目標がようやく達成され、嬉しい限りです。制御結果も完璧でした。不具合発生からのリカバリも速やかで、「備えよ常に」の教科書のようでした。社会人としての矜持を示して頂き心より感謝です。
高梨 様
水噴射達成おめでとうございます!長年のノウハウ蓄積と絶妙な設計変更が功を奏した結果だと思います。噴射を目視できて感動しました。
水噴射が成功したことで一旦区切りとなるのでしょうか。子機のほうに通信機を載せて探索機能を持たせるなども楽しいと思います。今後にも期待しています。
平井 様
水を噴射するというアイディアに対して、見事、今年は成功したと見受けられます。基盤関係を防水にしていたのもよい対策の施しだったのではないでしょうか。各種センサーのデータ分析もしっかりとされていたようですね。最後、コスト、スケジュール以外に、次回に向けて改善できる点があるとしたら、何が足りなかったのかは、まとめてほしかったです。
宇宙開発チームNAFT(名古屋大学)
レーダーチャート
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審査コメント
永田 様
現地へ移動後に発生した不具合への対応で大変そうでしたが、搭載から打上げまで出来て良かったです。多くの学びが得られたのではないかなと思います。誤判定に悩まされるというのは実際の機械システムでもよく発生する事象なので、誤判定をどう避けるか、誤判定が発生しても致命的なことにはならないレジリエンス性をどう確保するか、は重要ですね。
高梨 様
SPC初挑戦お疲れ様でした。自分たちの技術力を冷静に見極めて機体製作をされていると思います。これから沢山楽しい開発ができると思いますので今後の挑戦にも期待しています。
事後プレゼンの中でセンサーを着脱可能にするというコメントがありましたが、着脱可能と断線/破損は表裏一体なので設計段階から打上げシーケンスを意識した仕様設定をすることをおすすめします。
平井 様
アメリカとの通信をリアルタイムで行う、という面白いアディアもあった中で、ログの取れる時間が短ったという痛恨のミスだったのかと思います。「長時間作動していたら自動的に停止させる」というプログラムは、そもそも標準搭載なのか、自分たちのプログラムミスなのか、という部分もあるとは思いますが、いずれにせよ、プログラムの最終確認での見落としが原因だったのかと思います。プログラムは書けば書くほど複雑化していくので、注意が必要ですね。
NIN-Rab(立命館慶祥高校)
レーダーチャート
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審査コメント
永田 様
2人でミッションを遂行するのはかなり大変だったのではないかなと思います。落下時に破損してしまったのはタイヤの展開機構を外した影響でしょうか。6 m/sでの着地というのは1.84 mからの自由落下で簡単に得られますので、手で持ち上げて落としてみるという試験を繰り返し行うと良いです。手描きの図が新鮮で良かったです。
高梨 様
修理後の機体が動作していたとのことで、機体自体の基本性能は十分なレベルに達していると思います。プロジェクト遂行の基礎としてスケジューリングやミッションの取捨選択をしっかり行って次の一年に繋げていっていただければと思います。
平井 様
事前の重量計測の不十分さにより、当日、一番の見どころであったはずの、爪を外す必要があったことは、全体コンセプトを実現するうえで、非常に心苦しい結果だったはずです。機体の美しさについても、事前プレゼンでは、手書きの図面だったことから、CADの経験がなく、3Dプリンタもうまく使いこなせていなかったのかと想像します。センサなどの知識は豊富にある印象でしたが、一部、ブレッドボードのままの基盤もあったので、改善点がまだまだありそうな印象でした。
チーム岩井家
植松電機賞
レーダーチャート
投下動画
審査コメント
永田 様
放出直後に一瞬だけ滑空したように見えましたが、モータのトルクが掛かる前だったということなのですね。部品取り用の予備機を準備してレジリエンスを高めていたのは流石でした。不具合発生時の対処能力は群を抜いていたと思います。
高梨 様
もうそろそろ風洞試験が必要な段階まで来ている気がします。来年は試験回数が増やせるよう祈っております。
姿勢の乱れについてはモーターのモーメントの他に、左右主翼の揚力差や尾翼の傾き、重心のズレなど多数の要因が考えられます、軽く小型の機体なので小さいズレが大きな影響を及ぼします。外形状製作においては航空機は職人技の局地だと考えていますので、引き続き極めていっていただければと思います。
平井 様
設計、数値的な解析、データの分析、アイディアの独創性、実験当日の緊急事態への対応、等すべてにおいて高いレベルでした。結果としては、きりもみ状態になってしまいましたが、十分に活躍されていたかと思います。唯一気になった点としては、事前の準備において、タコ糸を使った実験映像は見られましたが、滑空の試験は実施されたのか、というのは気になりました。